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お茶の葉は、全部同じです
日本のお茶、7種
シーンに合わせた緑茶選び
お茶にはさまざまな種類があります。でも、それら種類について詳しく知っている方は、あまりおられないのかもしれません。
そこで今回は、お茶の種類について分かりやすく解説したいと思います。「いつも飲んでいるから、このお茶で。」という選び方から少しグレードアップ!気分や用途に合わせたお茶選びができる素敵な生活を、手に入れてくださいね。
緑茶、烏龍茶、そして紅茶。それぞれに良さがあり、まったく味わいの異なる3種のお茶ですが、実は、全部同じ『チャノキ』が原料となっています。
では、なぜ味が変わるのでしょうか。
それは、発酵の具合です。
緑茶とは、発酵させない不発酵茶。烏龍茶は半発酵茶で、完全に発酵させたものが紅茶となります。そして、発酵を止めるための加工こそが、”蒸す”という工程。緑茶の製造において早々に蒸しの工程が入っている理由は、このためだったのです。
緑茶は、栽培や製造の方法にて分類が行われ、ざっくりと7種に分けられています。
・煎茶
いわゆる一般的な緑茶です。加工の方法により、普通煎茶と深むし煎茶に分かれます。
深むし煎茶とは、普通煎茶の2~3倍の蒸し時間を設けて製造されたもの。渋みが抑えられ、濃厚な味わいとなります。
・玉露
芽吹いたばかりの新芽を、日光を遮った環境で育て、煎茶と同様の工程で製造した緑茶です。うま味が大変強く、渋みや苦みの少ないお茶となります。覆い香と呼ばれる独特の香りが楽しめます。
・かぶせ茶
茶摘みの1週間ほど前から覆いをかけて育て、煎茶と同様の工程で製造された緑茶です。玉露と煎茶の中間のような味わいが楽しめます。
・玉緑茶
煎茶の製造において葉の形を整える工程を省き、自然のままの勾玉状で味わう緑茶です。加工の方法により蒸しと釜炒りに分かれ、蒸しはさっぱりとした味わい、釜炒りは日本茶にはあまりない、香ばしさが楽しめるお茶となっています。
・碾茶(てんちゃ)
抹茶の元となる緑茶です。玉露と同様に育てた茶葉を蒸し、揉まずに乾燥させ、茎や葉脈を取り除いて作ります。青のりのような平たい見た目と、玉露のような覆い香が特徴。読みが同様の甜茶がありますが、こちらは中国茶で、碾茶とは全く異なるお茶です。
・番茶
新芽ではなく、成長した葉や茎などを原料として作る緑茶です。製造工程は煎茶とほぼ変わらないものの、原料茶葉の収穫時期の違いからカフェインが少なく、さっぱりとした味わいとなるのが特徴。日常使いのお茶として知られています。
・再加工茶
煎茶や番茶を強火で焙煎して作る焙じ茶や、炒った白米と番茶を合わせて作られる玄米茶などを指します。お茶としての加工が終わった後に、さらに何らかの加工を施して味わうお茶を再加工茶と読びます。
緑茶には、高価な茶葉からお手頃な低価格茶まで、ズラリと種類が揃っています。高級とされるのが玉露。一般的なお茶が煎茶で、番茶や再加工茶はよりお手頃なイメージです。
とはいえ、お値段だけでひとくくりに評価できないのが、緑茶の世界。もちろん、手間をかけて栽培し、最高の時期に収穫、細やかな製造工程を経ている高級茶には、代えがたい魅力がたくさん詰まっています。ひ
とくち味わえば、その違いはすぐに実感して頂けることでしょう。しかしながら、お手頃価格で手に入る番茶や再加工茶には魅力がないのかと問われると、決してそのようなことはなく、その商品にしかない良さがたくさんあります。
例えば、『医療機関で提供されるお茶には、番茶や焙じ茶がよく使われている』のですが、これは、カフェインが少なく口当たりが優しいことから選ばれています。また、同じくカフェインが少ないことにより、妊婦さんにも安心して飲んでもらえるという利点も。
そして玄米茶は、『お茶漬けには欠かせない!』と、強い支持層を得ています。
緑茶の魅力は、お値段だけでは語れません。そこもまた、楽しみのひとつなのです。
一日の生活の中で、シーンに合わせた緑茶の楽しみ方を考えていきたいと思います。
早朝、起きてすぐの一杯は煎茶を。カフェインを摂取できるので、すっきりと目覚めることができます。
スポーツやお仕事など活動中は、熱めに淹れた煎茶を飲みましょう。カフェインが、頭と体の活発化に働きかけてくれます。休憩時には、番茶や焙じ茶に変えて。カフェイン含有が少ないお茶にすることで、しっかりとクールダウンできるでしょう。
学習中には玉露がおすすめです。カフェインが特に多く含まれていることから、眠気覚ましにぴったり。勉強がはかどります。
次にランチやディナーなどお食事の時。脂っこいものを食べた時には、焙じ茶や番茶を飲むことで、お口の中をさっぱりとさせることができます。コレステロールが気になる時や虫歯予防をしたい場合には、カテキンが豊富に含まれる煎茶がおすすめです。濃い目に淹れてゆっくりと飲むことで、より効果のアップが期待できます。
ダイエット中、お腹が空いた時には、薄めに淹れた焙じ茶や番茶を飲み、胃を刺激しないようにしましょう。濃い目のお茶で胃を刺激すると空腹感が増してしまいますよ。
ビタミン不足が気になる時には、玉露や抹茶がおすすめです。茶葉に含まれる栄養価が高く、お茶の摂取と共に、栄養素も効率よく補給できてしまいます。特に抹茶は、茶葉ごと体内に取り込めますので、より高い効果が得られます。
リラックスしたい時には、テアニンの多い玉露やかぶせ茶を。自律神経を整え、心を落ち着かせる効果があり、睡眠改善効果にも期待ができます。
いかがですか?
それぞれ、緑茶にはたくさんの魅力が詰まっています。『シーンに応じて飲み分ける』そんな楽しみ方を、ぜひ日々の生活に活かして貰えたなら、これほど嬉しいことはありません。