世界のお茶の多くが発酵茶である中、不発酵茶である日本茶。その製造方法や淹れ方、味わいには、日本茶特有の特徴があります。そんな特徴を深く知るための、いくつもの資格があること、ご存じでしょうか。
今回は、日本茶の資格について、お話したいと思います。
私が確認しただけでも、日本茶の資格はなんと、7種類!
そして、その内容もさまざま。
日本茶そのものに関する内容はもちろんのこと、歴史について問われる資格や、栄養バランスについて問われる資格など、主催者によって、内容は大きく異なります。
もし貴方が、「仕事に活かせるかも!」と日本茶の資格取得を目指されるのであれば、まずは、資格の内容チェックをしていきましょう。なぜなら、ご自身にぴったりの資格を選ぶ必要があるからです。
もちろん、お仕事とは関係なく、日本茶好きが高じて、趣味の一環として取得するのもいいですよね。
他にも、海外に行かれることの多い方が取得すれば話題のひとつとなりますし、パティシエや料理人を目指される方が、知識のプラスαとして取得されるのも素敵なことだと思います。
では、7種類の資格について、その概要を見ていきましょう。
日本茶インストラクター
NPO法人日本茶インストラクター協会が行っている、最難関の日本茶の資格試験です。
この資格を取得することにより、消費者や日本茶アドバイザーを指導できるようになり、カルチャースクールの講師となったり、日本茶カフェのプロデュース、日本茶教室の開催などが可能となります。
合格率は35%と言われる難しさですが、真茶園では、多くのスタッフが取得しています。
日本茶アドバイザー
NPO法人日本茶インストラクター協会が行っている、日本茶の資格試験です。
この資格を取得することにより、初級指導者として、日本茶に関する助言や指導ができ、インストラクターのアシスタントとして活動できることを証明します。
こちらも、真茶園の多くのスタッフが取得しています。
日本茶検定
NPO法人日本茶インストラクター協会が行っている、初心者向けの日本茶の資格試験です。
お茶の成分、淹れ方、健康効果などが身についていることを証明します。
それほど難しくないので、日本茶を学びたい方が、最初にチャレンジする資格としてもいいかもしれません。
緑茶インストラクター
日本茶インストラクター技術協会が行っている、日本茶の資格試験です。
様々ある茶葉、どのように淹れたらより美味しく頂けるのかや、茶葉の保管方法、そして日本茶を使った料理法などが身についていることを証明します。
70%の正答率で合格となる資格です。
日本茶セレクター
日本安全食料料理協会が行っている、日本茶の資格試験です。
茶葉の歴史だけでなく、茶道具や茶碗の種類、仏教との関係など、幅広い知識があることを証明します。
よいお茶の見分け方や淹れ方をマスターできますから、お茶をより楽しめるようになる資格です。
日本茶スペシャリスト
一般社団法人日本能力教育促進協会が行っている、日本茶の資格試験です。
茶葉の分類や、茶葉ごとの製造工程、淹れ方などが身についていることを証明します。
日本茶教室や日本茶カフェのオープンを考えている方が取得すると、活かせる資格です。
茶育指導士
NPO法人日本茶普及協会が行っている、日本茶の資格試験です。
食育という言葉と同様、お茶に特化した食育というテーマの元、食生活や栄養バランスについて知識があることを証明します。
協会に在籍し、受講中に行われる3回のリポートで、平均80点以上の成績を収めることにより、茶育指導士を名乗ることができるようになります。
少し前の海外では、日本茶に砂糖やミルクを入れて味わうことが普通でした。しかし最近は、日本での味わい方で日本茶を楽しむ海外の方も見受けられるのだそうです。
繊細な日本茶の味わいや香りを楽しむには、やはり、“そのもの”の淹れ方である方がベター。お国それぞれの楽しみ方はあって良いとは思うのですが、そのままの状態で楽しんで頂けることは、嬉しいものです。
コロナも5類へ移行し、多くの海外の方が日本を訪れています。そして、インバウンド消費もどんどん高まりを見せており、その中で海外の方が日本茶に触れる機会はどんどん増えることでしょう。となれば、日本茶を提供するカフェ、食事屋さん、お菓子屋さん等で働く方には、今までよりもずっと、『日本茶を深く知っておくこと』が求められます。
日本茶は、大切な日本の文化。
尋ねられた時に、「知りません」では少し寂しいですよね。
胸を張って答えられるように、ぜひ学んでみて欲しいと思います。
もちろん、海外の人と接することの無い方にとっても、日本茶の資格取得はオススメ!日常生活において使える知識がたくさん含まれていますから、学ぶことで、日々の生活が少し楽しくなるはず。
季節はもう秋。
読書の秋。
資格取得を目指しつつ、お茶の本を読み読み、チャンレジしてみるのもいいかもしれません。